合計84名の参加者と24名のサポートライダー、総勢108名のサイクリストが全国育樹祭記念広場に集結。地域特産品が提供される3つのエイドを巡りながら、富士北麓地域の林道を中心に構成された「ショートコース」24km、「ロングコース」54km、そして「ハードコース」60kmを走破しました。その様子をご報告します。
受付
参加者が続々と現地入りする6:00頃、全国育樹祭記念広場は濃い朝霧に包まれ、富士山はもちろん紅葉した周囲の木々も見えないほどの視界でした。しかし、頭上にはうっすらと青空が覗いており、雲上から雲海が見えるのではないかと期待が高まります。
参加者は受付でゼッケンセットを受け取り、待機スペースで各グループと合流。サポートライダーによる出発前のブリーフィングを聞いた後、出発時間になると次々とコースへとスタートしていきます。
スタート ~ 鳴沢エイド(10.2km地点)
広場を出発し、細長い駐車場を抜けると、林道船津線のT字交差点に差し掛かり、早速交通規制区間に入ります。さらに進むと、メインルートの林道富士線に合流し、まもなく最初の絶景ポイントに到着しますが、残念ながら霧が濃く、富士山の姿は見えません。とはいえ、中盤で再び通過する場所なので、まだチャンスはあります。
距離と共に少しずつ標高を上げていきます。5km地点でショートコースが分岐し、ここから右折して林道大田和線を下りますが、ロングコースとハードコースはさらに登り続け、後半でこの林道大田和線を逆方向から登ってきます。
やがて霧が薄まり、富士山が顔を見せました!富士山を背景に写真を撮る参加者の皆さんで賑わいを見せます。
登りの終盤は勾配がきつくなり、最初のエイド「鳴沢エイド」に到着です。
鳴沢エイド(10.2km地点)
鳴沢エイドは、本イベントの目玉である絶景スポットに設置されています。ここから雄大な富士山をくっきりと眺められるほか、朝霧高原や本栖湖、南アルプス、さらに八ヶ岳まで山梨県西部を一望することができます。
鳴沢エイドでは、青木ヶ原樹海で育てられたなめこを具にした「なめこ汁」が提供される予定でしたが、温暖化の影響で収穫が遅れたため、鳴沢名産のブルーベリーを中心としたエイド食に変更されました。人気のブルーベリーパイと冷凍ブルーベリー、体が温まるブルーベリー茶が用意され、参加者は絶景を楽しみつつひと休みしました。
参加者は一休みをして、絶景を満喫してから、最高地点を目指して再出発です。
鳴沢エイド(10.2km地点) ~ 吉田エイド(43km地点)
約1.5km進んだところで、本日の最高地点(標高1860m)に到達。気温は比較的温かいものの、ここからは約12kmにわたる長い下りが続くため、参加者は防寒を重ねて下りに備えます。
下り区間では紅葉した木々の隙間から南アルプス山脈が顔を見せ、絶景を楽しむことができました。注意が必要な箇所にはゴムマットや看板で補強しつつも、路面が荒れているためサポートライダーの先導で慎重に進みます。
林道軽水線の終点には富士山を仰ぐスポットがあり、標高は1200mに下がりましたが、富士山はしっかりと姿を見せています。天候にも恵まれ、参加者の期待が高まります。
林道鳴沢線を抜けると最初の一般道に入ります。ここから富士桜高原別荘地の緩やかなアップダウンを進み、再び長い登りの林道大田和線に入っていきます。
林道大田和線の頂上には給水所があり、ここで再び水分補給をしてから、林道富士線を逆方向に下ります。富士山を望む絶景スポットでは再び富士山が現れ、シャッターチャンスに恵まれました。
希望者は途中でトイレ休憩を取り、再び一般道に戻ります。スバルラインの起点を通過し、県道富士吉田上吉田線に合流すると平坦な区間が続き、参加者は「吉田うどん」の香りに誘われて進みます。登りを1km進んだところで、昼食エイド「吉田エイド」に到着です。
吉田エイド(43km地点)
吉田エイドでは、「中ノ茶屋」を運営する「ふじよしだ観光振興サービス」が地元名物の「吉田うどん」を提供。温かく、コシがあることで有名な吉田うどんのボリュームが参加者を満足させます。本来は富士吉田市のPRブースも予定していましたが、選挙の影響で人手が足りず設置は叶いませんでした。
吉田エイド(43km地点) ~ 馬返しエイド(47km地点)
「中ノ茶屋」を通過し、秘境と呼ばれるエリアへ入ります。このエリアの入口には富士登山の歴史を記した石碑や江戸時代初期から登山客の幸運を祈る馬頭観世音があり、参加者はその歴史を感じながら「馬返し」を目指します。
ここからは、ハードコースが「馬返し」へ向かう激坂が待っています。ショートコースとロングコースは右折して林道富士線に入り、会場を目指しますが、ハードコースの参加者は勾配の急な試練の道を進みます。路面も荒れており、足を着かずに登りきるのが精一杯です。
馬返しエイド
激坂を登り切った先には、バス停「馬返し」と今回の馬返しエイド「大文司屋」があります。江戸時代から営業していたこの休憩所は、現在カフェとして再生され、登山客をもてなしています。本日はコーヒーと富士山カヌレを提供、疲れた体にしみるご褒美です。
馬返しエイド(47km地点) ~ ゴール(54km地点)
下りも過酷で、荒れた路面に注意しながら分岐点に戻り、隠れた林道富士線の入り口へ。ここからゴールまでは再び交通規制がかかり、静かな林の中を安心して進むことができます。
終盤、天候が悪化し、雨が降り始めましたが、河口湖の絶景が見え、参加者は最後の坂を登り切って富士北麓の絶景に感動しました。
最後はスバルラインを潜り抜け、あっという間に会場へ。参加者の皆さん、お疲れ様でした!